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US Q4成長率でましたね。

市場予想がマイナス5.5%と言われている中、マイナス3.8%という数字が出てきました。え、なんでそんなにいいの?と中身をよく見てみると在庫投資がプラス1.7%の寄与ということで、これがほぼそっくりそのままサプライズの中身でした。

要するにアメリカの企業は需要を見誤ったまま、生産を続けてしまい在庫を増やしてしまった、ということなのかなと。そうするとQ1はそれをmake upするだけの生産減、在庫減が必須ということで、生産と在庫の両面からQ1の成長率はより悪化する蓋然性は高そうです。その過程で生産規模の縮小に合わせて製造セクターを中心に雇用減も不可避でしょうから、消費水準の回復もちまたで言われているよりも後ずれするのでしょう。1月の大幅な雇用状況の悪化は、この現在進行形の生産減を反映したものなのかもしれません。個人的には下期から緩やかな回復に転じるという世間でよく言われているストーリーはちょっと楽観的過ぎると思っています。

[追記]
ISMの数字は予想以上でしたね。これはどう解釈すればよいのか。
# by linate | 2009-02-02 23:25 | マーケット雑感

Q4の成長率が出始めましたね。

UKがQoQでマイナス1.5%、韓国もQoQでマイナス5.6%。単純計算で年率それぞれマイナス6%、韓国に至ってはマイナス22.4%とは!

韓国の鉱工業生産は11月で前年比マイナス14%で日本よりはいい数字だったのと、日本のQ4の成長率が年率でマイナス10%と一部予測で言われていましたので、韓国の成長率は相当な驚きです。外需依存度の違い、と考えるべきでしょうか、それとも12月の生産動向がさらに悪化しているのか。

同じ11月の台湾の鉱工業生産が前年比でマイナス28%でしたから、台湾も日本以上に輸出依存度が高いことを考えると、こちらも想像を絶する成長率が出てきそうです。
# by linate | 2009-01-23 20:28 | マーケット雑感

It's finished!

あのジムロジャースがUKを指して放った言葉です。さらには"Nothing to sell"(あの国には売るモノがない)という発言もありました。

大変不謹慎ながらおもしろい言い回しだなと思ったのと、いつもポジショントーク的な発言ばかりで正直彼の発言を見ても「はいはい、そうですか、おじいちゃん」と思うことが多かったのですが、今回は初めて彼の発言に我が意を得たり、と思ったものですから久々にブログを書こうと思った次第です。最近は家族ができたり、仕事の幅が広がったりと、忙しくなかなかブログを書く余裕もなかったのですが。

別に製造業を礼賛するつもりはないですし、日本人のモノヅクリ信仰、根拠なき金融の賤業扱いには辟易しているのですが、しばらく金融が冬の時代を迎えようという中、これからあの国はどのように生きていけばいいのでしょうか。ソースが思い出せませんし、あの国全体かロンドンかも忘れましたが、金融と周辺サポート産業に従事する労働者の割合が50%という産業構造で、これから国民をどのように食わせていくのでしょうか。

2007年のNorthern Rock国有化に始まり、 HBOS、Lloyds、RBSへの公的資金投入、最近ではRBSの実質国有化にまで至り、いろいろハードルはあるようですが次はBarclaysだ、とか言われてますね。HSBC以外の主要金融機関の「全て」が、実体経済の悪化によるバランスシートの毀損してくる前にああいう状況になると、これから企業倒産が増加し、失業率が上昇して、普通のコーポレートローンや住宅ローンにロスが出てくると、と思うともうその先は想像を絶する世界が待っていそうです。HSBCだけは生き残るのか、HSBCも無傷ではいられないのか。HSBC以外の腐った銀行をUKという国家は支えきれるのか。久しぶりにIMFのお世話にでもなりますか。

バランスシートを時間をかけて縮小していく必要があるので、金融という産業がなくなるわけでは決してないけれど、明らかにしばらくは金融で去年までのような稼ぎをあげることはUKだけじゃないけれど不可能。じゃあ、産業の転換とは言ってもかつてのITのような有望産業が目先見つかるわけではない。強いて言えば電気自動車や環境技術でしょうか。あの国の場合はブルーカラー労働者の質が悪いので、開発はできてもその先の製造がうまくいかないような気もしますし。横道にそれますが、トヨタが国内回帰を進めたのは、これから衰退していく国の通貨=円が高くなるわけないという意味不明な信念もあったらしいのですが、なんだかんだ言いつつ日本のブルーカラーのクオリティが高いから、というのも会ったようです。

UKだけでなく、お隣のアイルランドも同様ですよね。Anglo Irishが一足先に国有化が決まりましたが、残る大手銀行2行も危機的状況には変わりません。アイルランドがUKと違うのは、ユーロ圏であるということと、国の規模が遙かに小さいと言うこと。EMUが加盟国の破綻の危機にどのように立ち向かおうとするのか、自分自身も相当に痛んでいる状況で。アイルランドよりも遙かに国家規模の小さかったアイスランドすら助けられなかった欧州がアイルランドを助けられるとは思えません(意思と能力の両方)。そう思うとユーロなんか買えませんよね。

もちろん、金融危機を震源としたグローバルな需要が崩壊している状況下、外需依存度の高い日本経済も09年の成長率では欧州よりも悲惨な数字が出るであろうことは私も承知していることは付け加えておきます。ただ、日本ほど自国通貨が上昇していない台湾や、むしろ減価している韓国の鉱工業生産も日本と同様前年比2桁の単位で減少しているのを見ると、こうなると円高も円安も関係ないような気もするから、じゃあ交易条件の改善が図れるんなら円高でいいんじゃないの、と最近思ったりしています、ハイ。
# by linate | 2009-01-22 23:03 | マーケット雑感

ご無沙汰しておりました

前回ポストから結構開いてしまいました

前回ポスト以降、CFAのLevel 3を受験しまして、それから何もする気が起きなくなっていたところに、婚約してしまったり、Level 3を実は落ちてしまったり、ブラジルに2週間出張に行ったりと、イベントが重なったところに、市場もそれを取り巻く環境も毎日がジェットコースター状態で、今日思ったことが明日には間違っていたとわかったり、ぼーっと考えているうちに市場においていかれそうになったり、でブログのメンテが疎かになってしまっていました。

日本の株式市場は、昨日のアメリカのセンチメントがその動きの大半を支配する自律のない市場だと思っていますが、ここ数日の相場はあきれるを通り越して怒りにも満ちた感情を持ちながら観察していました。株価の割安、割高の尺度にPERとかPBRがよく使われます。たとえばPERが市場平均で13倍だけど、この会社は6倍だから割安だ!とそんな単純なモノではなかったりします。市場平均は13倍だけど、産業によって資本構成が変わり、適正なPERも産業ごとに違ったりするのでセクター平均のPERが6倍、ということであれば、その会社のPERは適正評価ということも言えます。また、その会社が経営に不手際があったりでゴタゴタしていたり、その会社の製品自体自体が衰退するばかりで再度成長に向かう見込みがない、と言った場合には「バリュートラップ」とも呼ばれますが、割安のまま放置されていることが正当化される場合もあります。

翻って日本の株式市場は、PBRが1倍を割れたそうです。上記の通り個別企業のPBRが1倍割れという局面はもしかしたら、それを正当化する理由がある場合もありますが、市場全体のPBRが1倍を割れる、というのは明らかな売られすぎであり異常値以外の何者でもないと考えるべきでしょう。プライムブローカーからクレジットを絞られたヘッジファンドの換金売りや、海外リスク資産の忌避に伴うリパトリを要因として、外人投資家は投げ売り状態の模様ですが、対する国内投資家はなすがままで、流動性を供与するわけでもなく、価格発見機能も放棄しているように見えます。

でも、明らかに割安だけど、問題はそれでもここから買い迎えるのか?という点でしょうか。

日本は相対的にレバレッジのかかっていない社会ですので、グローバルなデレバレッジや信用危機の影響を他の先進国に比して受けずに済むはずだったのですが、株価がココまで下がってくると実体経済に影響を及ぼさざるを得ません。昨日も大和生命の破綻がありましたが、破綻まではないにしても他の保険会社の余力は落ちこそすれあげることはないでしょうし、企業年金不足額の補填のために企業収益は悪化しますし、景気回復過程で再び持ち合いを増やした銀行もこれから含み損を計上する過程に入っていくでしょう。そもそも資産価格の下落は間違いなく個人の消費センチメントを悪化さ、企業業績には明らかにネガティブです。

保険会社がリスク資産への投資余力をなくし、企業が信用力を落とし、銀行も自分の体力が落ちていることから信用供与を絞り始めると、日本経済もグローバルな危機にこれまで想定されていたのよりもひどい程度で同調せざるを得なくなってくるのでしょうか。そうすると、実体経済の方が今の株価がインプライする水準に回帰し、今は割安でも、そのうち正当化される株価水準として落ち着いていくのかもしれません。

今の株価水準は私が銀行に入った頃、自分の銀行だけでなく、どの大手銀行も明日が見えない、明日にはどこの取引先が飛ぶんだろう、来月はもしかしたらあの銀行も飛ぶかもという、不安に私だけでなく同僚みんなが押しつぶされそうな感情を抱いていた頃の株価ですので、またそういう時代が来るのかなあと思うようになってきました、ここ数日。
# by linate | 2008-10-11 12:35 | マーケット雑感

New York, NY

仕事でニューヨーク滞在中です。暑いです。先週は100度を超えたそうで、今週はそれほどではないにせよ明らかに東京より暑いだけでなく、むしむししていて不快指数かなり高めです。こんなニューヨークは初めてかも。

今夜シカゴに飛びます。

Park & 42ndから見たクライスラービル。
New York, NY_b0102654_21115100.jpg

Grand CentralとMetLifeビル
New York, NY_b0102654_21112380.jpg

# by linate | 2008-06-17 21:13 | 仕事


株屋ですよ。


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