NY駐在バイサイドアナリストの一日

アナリストの1日は8時起床から始まります。遅い?知ったこっちゃあるか。嫁さんがつくってくれるおいしい朝ごはんをかきこんだら、家を出るのはだいたい8時半。8時40分バス停到着。

バスが来ねえよ。

そして9時ぎりぎり出社。出社早々は東京の本社からオーバーナイトで届いたメールを片付ける。例えば、前四半期にパフォーマンスが良かった(悪かった)銘柄のディスクロージャー資料に載せるためのコメントを書いたり、保有銘柄のうち前夜急落した銘柄についての釈明を求められたり、そういうの。その後、パフォーマンスが良いと分かっていれば東京から毎日送られてくる個人パフォーマンスファイルを見る。悪いと分かっている場合は見ない。

その後はその日に決算が出ている銘柄があれば、決算プレスリリースを見ながらExcelで作ってる自分の財務モデルに数値を入力しながら決算内容を確かめたり、カンファレンスコールを聞いたり。あ、ちなみに四半期ごとの個別銘柄の決算レポートは私はいちいち書きません。そんな暇があれば新しいアイデアを検討したり、新たなリサーチ対象のモデルを作る時間にあてたいです。

そうこうしているうちに昼飯時。月に何度か担当セクターの経営者やアナリストとのランチミーティングに呼ばれるのでできるだけ出るようにしている。会場はブローカーの本社のダイニングルームだったり、そのへんのレストランだったり。ランチミーティングは飯を食わせてもらえるからって別に特別扱いされているわけでもなんでもない。FidelityやNeuberger Bermanのような大所は自分から出向くなんてせずに、企業の経営者やアナリストが直接彼らのオフィスに出向いて1対1の濃密なミーティングの機会があります。一方、我々弱小バイサイドはそういう場には呼んでもらえないので、ランチミーティングという名のグループミーティングにしかお呼びがかかりません。グループでは一人当たりの質問チャンスも当然少なく、皆が質問しようしようと様子を伺い、前の人間の質問への回答が終わりそうと感ずるやいなや、完全に経営者がしゃべり終わってないのに自分の質問をしゃべりはじめる投資家がいるなど、グループミーテイングでは質問するのも一苦労です。まさに戦場です。調子が悪ければ全然質問できずに終わるなんて日も。まあ、本当にしたい重要な質問なんてのは実際は2〜3程度なのですけどね。一方で、グループミーテイングでは他の投資家の懸念事項や注目点も解ったりするので、良し悪しではあります。投資は美人投票ですので、自分の独善的なビューを持っているだけではダメで、他の投資家と自分の見方の違いはどこにあるのか、コンセンサス的なビューと自分のビューの乖離はどうなりそうなのか、常に他人の意見との差を意識し続けなければならないので、グループミーテイングはそういうのを確認できる場所でもあったりします。

ランチミーティングから帰ってくると、今度は次の銘柄会議に向けた資料作成。私はWordできっちりしたレポートを書くことは殆どなく、PowerPointのスライドがレポート替わりです。PowerPointは左はテキストボックス、右に上下2つの図表というレイアウトをスタンダードにし、左のテキストボックスには12ポイントの文字でびっちりと右のグラフの解説やそこから敷衍される自分のビューをひたすら書き込みます。

もうひとつのツールはExcel。Excelで投資候補企業の財務モデルを作りこみます業績予想をはじき出します。財務モデルはセルサイドのアナリストからももらうことはできて、それを使えば手っ取り早いんですが、過去数年の財務データも入力しつつ、自分で作った方が何がこの会社の成長ドライバーで、何がボトルネックなのかがよくわかるので、時間がある限りは財務モデルは自分で作るようにはしています。ただ、時間との兼ね合いで、ブローカーのモデルを使うこともありますが、将来の業績予想のドライバーとしてどんなKPIを選択するか、どこまでドライバーを細かく分解するかとかに、アナリスト個人の会社や業界に対する見方が反映されるので、セルサイドのモデルを使っていると、そのモデルを作ったアナリストのレールの上を走らされているようであまり気分がよいものでもありません。

財務モデルの骨子を創り上げると、今度は将来予想の数値をより精緻にするために、企業と電話会議を行います。業界全体の動向はどうなのか、そのなかで個別企業としてどんな製品を売ろうとしているのか、どのようにシェアを拡大させるのか、コストインフレを反映できるほどのコンフィデンスを今持っているのか、設備投資に対する考え方、目標レバレッジ、余剰キャッシュフローの使途は、等々ひと通り聞きます。電話相手がIRであれば、割と細かい数字の話を、経営者やそれに近い人であればビッグピクチャーを聞いたりと、話す相手により質問内容を変える必要があったりします。経営者に細かい数字について聞いてもわかってないから答えらない可能性も高いですし。

そして夜になり東京が朝を迎えると先ほど作りこんだスライドをもとに東京との銘柄会議を電話で行います。自分の個人成績がいいうちは私が一方的に推奨銘柄を喋るだけですが、成績が悪いと詰め詰め会議になるので、その時のパフォーマンスによって雰囲気は全然違いますです、ハイ。最近はまあ割と良いと思います。

そしてようやく帰宅の途につきます。だいたいいつも7〜8時くらいには会社を出る感じですかね。

バスが来ねえよ。

帰ってからも気になる銘柄は自宅からウェブを駆使していろいろ調べたり、果てはその場でモデルや資料の作り込みも始めたりすることもあります。この仕事はネットさえあればどこでも出来る仕事ですし、むしろ会社よりも自宅の方がPCやネット接続環境は良好ですので、家のほうが仕事がはかどる、なんて場合もあります。
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# by linate | 2011-01-26 12:55 | 仕事

エマージング株式投資は本当にホットなのか?

最近非アジアのエマージング企業もカバレッジを広げておりまして、ちまちまとラ米だのアフリカだのの企業とのミーティングにも顔を出すようになっています。

最近はエマージングで完結した大型のM&Aも話題になる昨今で、エマージング市場への株式投資もホットだぜい!てな記事をあちこちで見かけるわけです。

我々弱小日系投資家は欧米ブローカー主催のカンファレンスで、先進国の大企業との個別ミーティングを取るのは結構難しかったりします。なぜなら、運用残高が少ないことっと回転率が低いせいでブローカー各社に十分なコミッションを払ってないからと、ミーティングする投資家を選ぶ権利が企業側にある場合企業側に認知されてないからです(*)。ところが、エマージングの場合は今をときめいているはずの大企業とのミーティングが1対1であっさり入ったりする場合もかなりあります。そして、グループミーティングの場合の参加者も、ああ、こいつまたいるなあ、とほとんど数少ない投資家同志で顔なじみ状態に陥っていたりします。

と、ここから思うことは、今世界中が注目しているエマージング株式投資も、みんなベータを取りに行っただけで満足してしまっているのではないかなと。要するに、アルファの源泉はエマージングは先進国との比較でまだ残されているのではないかと。もちろんエマージングの個別企業分析・投資には言語や情報密度、規制等様々な難しさや制約条件があるのは事実です。それでもなお、ベータで十分なのは先進国の特に大型株であって、アルファを取りに行くべきはエマージングなのではないかな。そして、実はニューヨークやロンドンでも競合が少ないという現在の状況は、私のようなぺーぺーなエマージング投資家にもそこそこのチャンスが有るのではないかなあと思うに至るわけです。

ただ、一方でエマージングのウェイトはMSCIベースでたった2割。日本の機関投資家からのエマージングアクティブでのマンデートはまだまだこれからという状況。金になるかならないかといえば微妙といえば微妙ではあります。

ということで、エマージング株式投資はある意味ホットに違いない、ということで今日はこのへんで。

* そもそも我々日系投資家のグローバル株におけるプレゼンスの低さは、委託者である年金が外資系の運用会社に委託してしまっており、日系に配分されるグローバル株の運用シェアが低いからというのもあります。
日本人が持つグローバル株へのエクスポージャーはかなり大きいはずです(数字がなくて恐縮です)。日本人のプレゼンスが低い、というよりは、本来日本人としてクレームすべきプレゼンスが外資系の運用会社に掠め取られてしまっているといったところでしょうか。
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# by linate | 2010-11-27 08:33 | マーケット雑感

進学することになりました。

4年半くらい前にもCornellのホテルスクールからも合格証をもらいながら、学費をファイナンスできずに結局断念した経緯がありましたが、また最近NYUのパートタイムではありますがビジネススクールから合格証をもらいました。来年の1月末からサラリーマン生活の傍らで10年ぶりの学生生活をスタートさせることになります。

Cornellのホテルスクールは1年間のコースでしたが、1年間に詰め込んだだけあって学費は6万ドルしました。ただ、目の前のビジネススクールのJohnsonは外国人学生でもローンを受けられる制度があったのに、ホテルスクールには外国人向けのファイナンスのオプションが5000ドルの奨学金以外一切なかったのです。そんなこんなで泣く泣くあきらめざるを得ませんでした。が、卒業後就きたいと思っていたホテルを専業とした不動産ファンド業界のその後の状況を見るにつけ、行かなくてよかったあ、と思わなくもなかったりします。

Sternもパートタイムは学費という面ではクソがつくほど高いです。卒業までの学費はざっくり$100Kします。ただ、今回は働きながらということもありますし、他の人がするような車を買うとかそういう贅沢をしない分、学費につぎ込むと思えばまあいっかなあ、と無理やり自分を納得させながら、進学することになりました。

ということで、このブログもビジネススクールブログと化しそうな気がしています。
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# by linate | 2010-11-06 13:51 | 学生生活・留学

服装

ニューヨークはアメリカの中ではリベラルな都市とは言われていますが、こと男性サラリーマンの服装に限って言えばアメリカの中でもトラッドというか、西海岸との比較論ではありますがきっちりした服装が好まれる都市です。通りを歩くと、東京ほどではないにしろ夏の暑いさなかでもネクタイをキッチリ締めてジャケットを羽織って歩いている男性を多く見かけます。

ただ、金融業界はどうも違うようです。確かに証券会社のような営業をする側の人々はいくらクソ暑かろうが、スーツを来ているようですが、バイサイドとなるとやや日本人の感覚からすると?という格好をしている人に多く出くわします。カンファレンスのジェネラルセッションのような、経営者とアナリストの対話を一聴衆として聞くだけならラフな格好でも全く問題はないとは思うのですが、彼らはそのラフな格好のままミーティングにもやってきます。よく見かけるラフな格好だなあと私が思うパターンとしては、
・ジャケットを着ていない(ドレスシャツとスラックスのみ)
・チノパンにポロシャツ
といった感じです。ジーンズを履いてきてる人もたまにいます。

こういうのはカンファレンスのようなやや大人数がいて、一人ひとりにそんなに服装とかそんなどうでもいいことで注目やプレッシャーを浴びない環境だからかなと思っていたら、ディナーミーテイングのような少数のみが集まる、かつフォーマルな場に行っても、当地のバイサイドのラフな格好は特に変わることも有りませんでした。年上の経営者はネクタイまで締めてやってきているというのに。

一人の人間としてみたら、バイサイドの20〜30代の若造なんぞよりも、上場企業の経営者の方がナンボも人生経験、能力、稼ぎどれもこれも大きいに決まっていているのですが、そこは投資する側のほうがエライというお国柄なのですかねえ。

日本人の感覚だと普段はカジュアルな格好で仕事をしていたとしても、人と会う時くらいはきちんとスーツを着るというのが大抵の人の感覚だと思います。私も郷に入れば郷に従えといえば聞こえはいいですが、易きに流されてしまい、最初は経営者のミーティング時にはネクタイをしない程度のフォーマルな格好だったのが、夏になるとジャケットを着るのをやめてしまいました。

あーあ。
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# by linate | 2010-08-12 09:26 | 仕事

クレジットカード

このポストは各銀行のクレジットカード部門のロスレシオがどうのこうのというおはなしではないことだけは最初にお断りしておきます。

いろんな人は「アメリカはクレジットカード社会だ」と言いますが、これはおそらくそのとおりでしょう。スーパーやドラッグストア、コーヒーショップでのどんな少額の買い物でもこちらではクレジットカードで当たり前のように決済しています。現金をほとんど持たなくてもどうにかなるというのは、言い過ぎでも何でもなく、むしろCash Only!という店舗のほうが見つけるのに苦労するくらいです。ですので、クレジットカードはないと生活が色々と面倒なので持たざるを得ません。デビットカードがあればいいじゃないか、と言う人もいそうですが、オンラインでの買い物の場合、デビットカードを受け付けていない場合が多く、オンラインショッピング全盛のこのご時世に、それはやはり辛いのですよ。

「アメリカ 駐在 クレジットカード」というキーワードで検索をかけると、クレジットヒストリーも何も無いまっさらの状態で到着したばかりの日本人にとってのクレジットカードの入手の仕方が色々と書いてあります。そのクレヒスまっさらに日本人がアメリカに到着して作れる米国発行のカードは大別すると、(1)オリックス系のプレミオカード、(2)アメックスを日本のアカウントから米国アカウントへ切り替える、の2つでしょうか。

前者のプレミオカードは、日本人の駐在員をターゲットにしたカードで、審査基準は日本でのカードの審査基準と同様で、アメリカのクレジットヒストリーは見ません。ですので、どういう企業に何年務めていて、年収はどれほどあるのか、といったことがまず重要視されるようで、普通の日系企業の駐在員であればdeclineされることはまずなく、そこそこの限度額のカードが到着早々もらえるようです。ANAとかとの提携カードもあるので、マイレージを気にする人にもいいかもしれません。

後者のアメックスは、グローバルに与信と決済ネットワークの維持管理の両方を行っているJCBと並んで数少ないクレジットカード発行会社です。ですので、国をまたいだ転居を行う場合、発行国の切り替えも可能です。ですので、日本からアメリカへ転居する場合、電話一本で特にアメックスでの履歴に問題がない限りはアメリカ発行のカードを貰える、という情報をウェブ上で至る所で見つけることができます。人の駐在員のブログを見ていると「アメリカ転勤を言い渡されたのでアメックスを作りました!」という記述を見ます。

しかし、割と最近なのかどうかわかりませんが、米国へのアカウントトランスファーの条件には「12ヶ月以上の会員履歴があること」というのがあります。要するに米国駐在が決まっていきなり作ったからって、米国に来てすぐ米国のカードへの切り替えはできないんです。このことに触れられているウェブ上の記載もほとんどなく、「アメリカ転勤を言い渡されたのでアメックスを作りました!」のあとの後日談もほとんど書かれてないのです。

私は一時期アメックスユーザーでしたが、AAユーザーだったため、アメックスではAAにマイルをつけられないことと、会費が高い割にその恩恵を受けたという実感が大してなかったため、解約していました。ダメもとで出国前に再度入会しなおして、ソーシャルセキュリティ取得後米国のアメックスに電話をしたところ、「お前は12ヶ月未満だからだめだ。昔も合わせると12ヶ月以上だと?知らん。直近12ヶ月が条件だ」とけんもほろろに断られました。

ですので、これから駐在で米国に雇用としている方、今アメックス会員でないならば無理して日本でアメックスを作る必要なんか全く有りません。12ヶ月も待つまでもなく、プレミオとかでクレジットスコアを上げていけば半年くらいで正攻法でアメックスくらい作れるようになります。

で、ウェブ上であまり語られないクレジットヒストリーのない駐在員がいきなりクレジットカードを作るもう一つの方法があります。シティバンクがクレジットヒストリーのない外国人に対して、在米オフィスでの在籍証明と年収証明さえ職場が発行してくれれば、企業駐在員用の審査基準でクレジットカードを発行してくれるのです。クレジットヒストリー無しでOKです。ここはアメリカです。イギリス人等欧州系のみならず韓国人や中国人、お隣カナダ人等、会社の命令でアメリカに転勤になる人なんかゴマンといそうですので、米系の銀行がそうした需要を満たすカードを作っていない方がおかしいですよね。

ですので、私もアメリカでの1枚目のカードはシティバンクで1万ドルの限度額のものを発行してもらいました。シティバンクに銀行口座も持っているとオンラインで、銀行口座と一緒にカードの使用状況、残り枠の状況を確認でき、その場で銀行口座から都度振替で返済もできるので非常に便利です。
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# by linate | 2010-07-06 00:21 | NY・アメリカ生活雑感

Dollar Storeは百円ショップに非ず

Dollar Storeという字面から、日本人であれば100円ショップ、何でもかんでもあらゆるものが100円あるいは$1で得られている店舗形態を想像すると思います。

Family DollarやDollar Generalといった大手dolalr storeチェーン店は、実際にはただの格安スーパーといったほうがいいかもしれません。$1で売っているものなどわずかです。平気で$2や$5の商品も並べています。日本の100円ストアなら、普通の分量なら100円で売れない商品でも小分けにして無理やり100円で売っていたりもしますが、ここではそのようなことはなされていません。

また、日本の100円ショップで並んでいる商品にはメーカー名やブランド名などほとんど記されていないか、記されていても小さく記載されているだけだったり、「誰?」というメーカー名だったりします。当地のdollar storeではナショナルブランドの製品が堂々と並んでおり、それらはモノやプロモーションによっては$1で売られていますが、ごく一部に過ぎません。

もうひとつの日本の100円ショップと当地のdollar storeの違いは、食品の取り扱いにあります。日本の100円ショップはSKUのほとんどが雑貨で、食品関連はわずかに激安ドリンクやスナック菓子が置いてある程度です。それに対して、米国の大手dollar storeでは非生鮮の食料品(袋入りスナック菓子、缶詰、瓶詰等)が店舗の相当を占めています。

ナショナルブランドの取り扱いについてはチェーンによって異なります。ナショナルブランドもディスカウントして売る傍らで、その真横にさらに価格の低いプライベートブランド商品を置き、値段を比較できやすいようにして、マージンの高いプライベートブランドに誘導しようとする店もある一方で、ナショナルブランドの割引率で勝負するという店もあります。

という感じで大手dollar storeチェーン店に入った瞬間の印象は100円ショップや雑貨店というよりも、生鮮品を扱わない格安スーパーというところでしょうか。実際、NJやロングアイランドのdollar storeに行ってみて実感するのはレントの安さにも助けられているのでしょうが、価格の安さです。

株式市場では「ダラーストア」というカテゴリーでアナリストも見ているようですが、個人的にはこんなもんWal-MartやTargetと同じくただのディスカウントストア扱いでもいいのではと思ってしまいます。話はずれますが、Wal-MartとTargetは消費者から見たら、ターゲットとなる顧客の違いはあるにせよ、同じディスカウントスーパーというカテゴリーで見られています。しかし、MSCIは食品売上・利益のウェイトの相違により、前者は消費安定セクターに属する銘柄で、後者は消費循環セクターに属する銘柄に分類し、股裂き状態となっています。MSCIのセクター分類はいろいろ思うところもありますが、この話はまた今度にしましょうか。

一方で、アメリカにも日本の100円ショップと同じビジネスモデルでやっている店もあります。Dollar Storeというよりも99 cent storeと言われている場合もあり、個人経営もしくは小規模チェーン店の場合が多いようです。

こういう業態は当然のようにソーシングをこれまで中国に大半を依存してきたわけですが、最近中国から聞こえてくるのは、元の切り上げだったり、労働コストの急激な上昇だったりするわけです。ダラーストアに限る話ではないのですが、衣料品業界にしても、原価上昇は避けて通れない状況です。中国がだめならベトナム、インドネシア、バングラデシュに行けばいいというものでもありません。中国は世界の工場としてこれまでその地位を維持してきたのは豊富で安い労働力だけでなく、外資が進出しやすい法体系、高速道路、港湾、電力等のインフラが他国では一朝一夕では置き換えられないくらい整備されているからです。他国は今すぐグローバルな需要に対応できる工業団地、港湾、電量、法律等のインフラが未整備です。中国に生産を依存してきた品目については今後間違いなく原価上昇がテーマになります。欧米企業はコストプッシュインフレをあっさり価格を引き上げて消費者に転嫁してきていました。「価格を上げればいい。消費者はそれを受け入れなければならない。」という企業経営者にも会ったことがあります。果たして今後数年は消費者はそれを受け入れる環境でしょうか。
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# by linate | 2010-07-04 10:14 | NY・アメリカ生活雑感

iPhone coming to Verizon Wireless?

正式なプレスリリースもないのですが、2011年1月よりVerizon WirelessでもiPhoneが提供されるというニュースが、ほぼ確定という勢いで今日の冴えない相場の中を駆け巡りました。

Verizonだけということってあるんでしょうかね。今までAT&T独占だったものが崩れる。そうするとVerizonだけでなく、 Verizonと同じ通信規格CDMAを採用するSprintで提供されないのだろうか、されないのだとしたらなぜか。せっかくiPhoneサイドが周波数に対応したT-mobileで提供されないのだろうか、されないのだとしたらなぜか。VerizonはCDMAではなくLTEではないのか? とかいろいろ疑念が尽きません。
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# by linate | 2010-06-30 11:01 | その他

iPhone 4発表

6月7日にサンフランシスコで開催されたWorldwide Developers Conference 2010のオープニングキーノートで、大方の予想通り、みなさんも既にリーク画像でご覧になったiPhone 4が発表されました。

アメリカの大都市、特にニューヨークとサンフランシスコのような、大都市圏ではiPhoneが爆発的に普及してしまい、iPhoneユーザーのやりとりするデータ量が他の機種に非常に大きかったことから、アメリカで独占的にiPhoneを取り扱うAT&Tのネットワークに輻輳が頻発するという事態が発生してしまっています。このためアメリカでは携帯キャリア最大手かつ、ネットワーク品質という意味では最も信頼度の高いVerizonでもiPhoneを販売して欲しいという要望が日に日に高まっています。

しかし、iPhone 3G/3GSの採用する通信規格はGSM/UMTSという規格のため、CDMAという通信規格を採用するVerizonのネットワークではそのままでは利用できません。さらにアップルは他の携帯端末メーカーと違い、地域ごとに異なる通信規格、周波数帯に合わせた機種を複数用意して販売することはせず、製造・在庫管理の効率化のために単一通信規格、単一セットの周波数帯の組み合わせに対応した1機種のみを全世界のキャリア・消費者に販売しています。そのためいくら米国最大のキャリアで消費者からの要望は高くても米国でしか売れないCDMA対応のiPhoneを販売するかどうかは若干疑問でしたし、AppleとAT&Tのアメリカ国内での独占販売に関する契約は2007年の初代iPhoneから5年間有効であるとの噂もありました。

一方、米国にはAT&Tの他にもGSM/UMTSという通信規格を使うキャリアがもう一つ存在します。ドイツテレコムの100%子会社T-Mobile USAです。しかしながら、通信規格は同じなのですが、T-Mobileの場合はAT&Tとは3Gと呼ばれるUMTSの周波数帯が違うのです。そして、iPhone 3G/3GSのUMTSチップはT-Mobileの使うUMTS周波数帯に対応しておらず、データ通信速度の点で劣る2Gと呼ばれるGSMの周波数でしか使用できなかったのです。

前振りが長くなりましたが、そこにiPhone 4の登場です。このiPhone 4は5種類のUMTSの周波数帯に対応していることがFCCに提出されている文書で明らかになっており、ついにT-Mobile USAのUMTSの周波数帯に対応することになりました。

米国では長くVerizonからiPhoneの登場が多くの人から待ち望まれていますが、AT&Tの大都市での顧客を他のキャリアに誘導し混雑解消と顧客の不満解消を図るのであれば、何もVerizonとまで行かなくともT-Mobileに分散させれば十分ではないかと個人的には思いますし、VerizonをはじめとするCDMAキャリア対応版を出すことはこれまでアップルがこだわってきた通信規格については単一のチップセットで対応するという原則を反故にするということにもなります。なにより、CDMAを採用するキャリアはどんどん減少中です。人口密度の低い地域では少ない基地局でクオリティの高い通信を実現出来るという特徴のあったCDMAは米国の他にもカナダ、オーストラリア、ブラジル等で採用されていました。しかし、GSM/UMTS陣営の方がカバー人口で圧倒的に勝り、携帯端末のバラエティとコストの低さの前には最終消費者への競争上の不利さが明らかになり、そうした米国以外のCDMAキャリアはどんどんUMTSのネットワークを新たに敷設し直し、CDMAから離脱する動きを強めています。ですので、今更アップルがほぼ北米でしか売れないiPhoneを製造販売するより、ユーザーからの要望はどうあれ、AT&Tに集中するiPhoneトラフィックの分散を図る、ということが目的であれば、Verizonである必要はなく、T-Mobileのネットワークを使えば十分その目的は達成出来るのではなかろうか、と考える次第です。

とまあ、どうでもいいことを書き連ねましたが、今日はこの辺にしておきます。
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# by linate | 2010-06-08 11:58 | その他

NYの賃貸住宅相場

家探し中ですが、なかなか希望の価格帯でこれはというのにめぐり合いません。

付き合っているブローカーみんな共通した認識は、マンハッタンの住宅レントは既に下げどまっており、むしろ上昇に転じている地域や物件タイプもあるとのこと。日本は年度の変わり目のこの時期は、米国では何でもない時期なので、例年であれば暇で在庫もだぶつきがちな時期なのに、今年は借り手からの引き合いが非常に多くて仕事も忙しく、在庫も低水準にとどまっているとのことでした。

マンハッタンのレントはご多分にもれずピークから2割程度は下がったようです。マンハッタンのレントのドライバーは一言で言えばウォールストリートの雇用です。ウォールストリートの雇用が伸びる局面では賃料も上がり、逆もまた然りでした。ですので、ウォールストリートの雇用が、削りすぎの補充を越えた本格的な回復を見せるまではレントも本格回復はないだろうと思っていましたので、この局面での賃料相場の反転は意外でした。現在のドライバーはブルックリン、クイーンズ、NJ等郊外からの住み替えとのこと。これまではマンハッタンのレントが高すぎて住みたくても住めず、しょうがなくブルックリン等の郊外に住んでいた人が、ここまで下がったら出せる!ということでマンハッタンの賃貸住宅市場に殺到しているのです。

ただ、彼らメインストリートの人々はウォールストリートの人々に比べると、収入面で劣ることは否めないので、彼らのマンハッタンへの参入が相場の大きな転換点をもたらし、持続的なレントの上昇に寄与するとはなかなか考えられません。私はウォールストリートの雇用の本格的な回復がない限り、マンハッタンのレントの持続的な上昇はないと考えています。

で、ウォールストリートの雇用は今後どうなるのか。ヴォルカーの金融規制改革の最終的な中身を見るまではなかなか、経営者もアグレッシブな人員計画を策定することは難しいのではないか、と今の段階では感じています。
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# by linate | 2010-04-05 10:52 | マーケット雑感

NYへ

転勤することになりました。

これまでは割と欧州株の担当が多かったのでロンドンに転勤するとばかり思っていたら、NYということに。欧州株の担当を減らし、同じセクターのラ米も含めた米州株の担当になるようです。

さて、家探さなきゃ。
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# by linate | 2010-03-23 23:59 | 仕事


株屋ですよ。


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