<   2009年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧

日本株PEが30倍とか40倍とか

多くの日本企業が急激な需要縮小や円高に伴って大幅な下方修正や赤字転落が予想されており、それに伴って日本株のPERが30倍以上に急激に上昇しています。欧米株のPERが10倍前後であり、これらを表層的に捉えて日本株は超割高であり、底割れ不可避という見方が某大手経済紙とかでも散見されるようになりました。私はあまりにも乱暴な見方というか、不安心理を煽り立てるだけの、全く意味のない論調だなあと思っています。実際、セルサイド・バイサイド問わず機関投資家コミュニティではPERを見て日本株は異常な割高だから日本株を売りまくれ、などという論調はほとんど見かけません。

株価の根拠となる企業利益がある一定のトレンド(成長率)の範囲内で動いている場合は、PERは非常にわかりやすく簡便なバリュエーションツールだということについては私も同意します。翻って、ここもとの企業利益の急減がトレンドかといわれれば答えは「否」でしょうし、異常値と判断すべき範疇であろうと思います。こういう環境においてPERをある単年度の企業利益に当てはめ、割安だ、割高だというのは、もはや有効な議論ではないでしょう。

さらにそもそも、個別企業のバリュエーションを行う場合、当該企業のEPSがマイナスの場合はPERは使いません。なぜなら企業価値はマイナスになることはありえず、企業価値の最小値はゼロだからです。赤字企業の場合は、PER以外の手段での企業価値の算定や割安度の判断を模索することになります。日本の個別企業の場合はPBRやDCF法が結構最近用いられているようです。

個別企業、特に複数の性質の違う事業を持つ会社を評価する際、連結ベースの利益に対して単一のPERやEV/EBITDA倍率といったバリュエーションを適用せず、事業ごとの利益に事業ごとに適切なバリュエーション指標を与え事業ごとの価値を算出し、その合計値を企業全体の本源価値とするSum of the Parts (SOTP)法という評価法があります。SOTP法でも赤字事業部門にPERやEV/EBITDAを直接当てはめてマイナス価値評価を与えるようなことはせず、保守的にゼロとするか、あるいはDCFやPBRで何らかのプラスの評価を与えます。つまり私がここで言いたいのは、個別企業のプラスマイナス入り混じったEPSの合計値であるインデックスEPSにグローバル平均の単一のPERを付す行為は、SOTP的観点から言うと一部の企業にネガティブバリューを与えている可能性が高いということです。赤字企業の数と規模は無視できない水準にある日本株インデックスにとっては、これだけで無意味な評価だといえるでしょう。実際、日経平均の適正水準がPERをベースにすると例えばざっくり3000円とするならば、じゃあ構成銘柄の個別株価はいったいどう動けばいいんだ?という話にもなろうかと思います。インデックスは所詮個別銘柄の集合体なわけですから、個別銘柄のバリュエーション指標と切り離して考えるわけにはいかないと思います。

PER以外の指標による評価を試みれば、PCFRでみた日本株は世界の指数との比較でも特に割高感はありませんし、PBRでは逆に米国株の割高感が浮き彫りになってきます(日本、欧州が1倍を切っているのに対し、米国株は2~3倍の水準)。
[PR]
by linate | 2009-03-16 19:51 | マーケット雑感

欧州1月鉱工業生産

欧州各国の1月の鉱工業生産指数(前年同月比)が出てきました。

フランス -13.8%
ドイツ -19.3%
スペイン -20.2%
スウェーデン -22.9%
UK -11.4%
日本 -20.8%

見ておわかりの通り、元々ファンダメが最低のスペイン、工業国のドイツ・スウェーデンは、最悪だ最悪だと言われてきた日本の数字にコンバージしてきました。個人的には日本同様、高度な資本財の生産国であるスイスの状況が気になるのですが、この国は四半期ごとのリリースだそうで。

欧州の生産調整は東アジアに遅れているはずだと直感的に思っていましたので、予想通りの数字が出てきたという印象です。東欧・旧ソ連の実体経済の影響が既に入っているのかどうかはわかりませんが、欧州圏の底打ちは米国や東アジアに遅れると思っていた方がよさそうです。
[PR]
by linate | 2009-03-15 21:31 | マーケット雑感

政投銀・商中を再度国有化するつもり?

与謝野大臣が政策金融機関の民営化は間違いだったとのたまっているそうで。世界同時不況を想定しない制度設計がその理由だそうで。

では、「世界同時不況」に該当しない長い長あああああい間、彼らが市場や民間金融機関からの資金調達能力を有する優良企業に体して、ファイナンスやクレジットの観点から正当化し得ない低いスプレッドを提供することで、市場機能を攪乱させ続けてきたことを、彼はどのように考えているのでしょうかね?

そもそも彼の頭の中にある世界同時不況を想定した制度設計ってどんな制度なんでしょうか?

ちなみに、私は彼の選挙区に住んでいますです、ハイ。

(毎日新聞記事より)
[PR]
by linate | 2009-03-14 19:04 | マーケット雑感

Bora Bora

バカンス中です。
b0102654_18725100.jpg
b0102654_1892193.jpg

[PR]
by linate | 2009-03-10 18:18 | その他

欧州株Q4

今回のQ4決算シーズンを総括すると、UK企業なら非スターリングエクスポージャー比率の高いグローバル企業、ユーロ圏企業ならドルエクスポージャー比率の高い企業に決算発表日の前日からでも投資してれば、あっさりとアウトパフォームできる非常にイージーな展開でした。こういう相場つきは初めてなのですが、コンセンサスを形成するセルサイドの個別企業アナリストは為替なんて殆ど気にしてないんですねえ。

ということで、今シーズンは楽して大いに勝てましたが、さて来期以降はどういうテーマを重視すべきか…

とりあえず、来週からはタヒチにハネムーン、月末は欧州出張です。
[PR]
by linate | 2009-03-03 00:42 | マーケット雑感


株屋ですよ。


by linate

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
仕事
CFA
マーケット雑感
銀行員時代
学生生活・留学
その他
NY・アメリカ生活雑感
未分類

タグ

最新のトラックバック

民主党・鳩山代表を応援し..
from 歌は世につれ世は歌につれ・・..
GM、連邦破産法適用申請
from 歌は世につれ世は歌につれ・・..
民主・中川氏「ドル建て米..
from 歌は世につれ世は歌につれ・・..
‘UK has noth..
from 歌は世につれ世は歌につれ・・..
経産次官「デイトレーダー..
from 歌は世につれ世は歌につれ・・..

以前の記事

2012年 11月
2012年 10月
2012年 07月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 07月
2011年 05月
2011年 01月
2010年 11月
2010年 08月
more...

フォロー中のブログ

ニューヨークの遊び方
本石町日記
TJアドバイザーズ代表T...
ベルリン中央駅
投資銀行家への道
ウォールストリート日記
Tori Box
ロンドンより愛を込めて
千丸日記
New York, NY...
PAA blog
It's a Small...
Playing with...

ブックマーク

ライフログ



その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧