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UKでも吹くプライベートエクイティへの逆風

有名ブロガーharryさんのブログの以前のエントリーにて、税務面から米国においてプライベートエクイティやヘッジファンドに対して逆風が吹き始めていることが紹介されていました。米国でのこうしたファンドを絞る動きが強まると、IPOがそうであったようにHF/PEもニューヨークやグリニッジからロンドンにその本拠を移す動きが強まるのではないかという連想が働きます。

しかし、今日のWSJの記事に因れば、PEが秘密主義過ぎるとか、ポートフォリオカンパニーの従業員を犠牲にして利益を得ていると、社会的批判を浴びるのは英国でも状況は同じようで、PEへの規制強化の動きが渦巻いているようです。現在、英国下院が主導する形で、今後のPEの投資先等の情報公開のあり方や課税強化についての検討が現在行われています。

英国でも課税が強化されてしまうと、米国がダメだからと英国にも逃げられず、ディールメイキングのみならずPEの経営陣や従業員個人の我が世の春もいよいよ本当に終わってしまうことになる? また他の国や都市がPE/HFの誘致に名乗りを上げてもハードウェア(金融街)とソフトウェア(英語を喋る人口)の問題からなかなか本格的な誘致は難しいでしょう。シンガポールや香港はPEやHFに対して好意的ですが、さすがにニューヨークから、ロンドンを飛び越えてアジアにドラスティックにグローバルな金融の中心が移転してしまうのはまだ早いように思いますし。あ、でもダブリンという手があるか…

また、個人的に興味深かったのは、この議会主導の検討委員会が、PEファンドに投資する機関投資家の側にもっとPEファームに支払うフィー水準を引き下げるよう"greater activism"を促していることです。PEに対して投資家が支払う手数料は、管理報酬と成功報酬(carried interest、日本では「キャリー」なんて言われます)に大別出来ますが、管理報酬は投資家が出資を約束した金額(commitment、「コミット」)の2%、成功報酬は売却時のキャピタルゲインの20%とほぼ相場が決まっています。確かに、機関投資家は今まで2%や20%は相場だと何の違和感もなく受け入れてきたところがあります。受益者に対するfiduciary dutyの一つとして、こちらも声を上げる必要は確かにありますね。2年前にPEが巨額のファンドレイズに成功した頃はそうした交渉は無理だったでしょう。3年後今のコミットメントが期限を迎え、新たなファンドレイズが始まると思いますが、デットマーケットのダウンサイドが長引けばコミットメントを使い切ることのできないまま期限を迎え、新ファンドのレイズを始めるファンドが続出することになるでしょう。そこが年金や基金等の機関投資家にとってのチャンスになるのではと想像しています。

(参考:WSJの記事)
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by linate | 2007-07-31 22:55 | マーケット雑感

LBOデット市場崩壊?

他のブログでもいろいろと議論されていますが、サブプライムCDO市場の崩壊をきっかけとして影響がLBOディールにまで波及しています。KKRによるAlliance BootsのLBOローンのシンジケーションが失敗に終わり、サーベラスがスポンサーになっているクライスラー買収ディールもデットに対する需要が今年の前半では誰も想像できなかったほどに低迷していると各種メディアが報じています。これからローンチする案件も、銀行団とPEファームとの間の交渉が行き詰まっているという報道もあり、買収ディールに不可欠なデットが調達出来ない可能性を見込んで、TXU等「決定済み」とされていた銘柄の株価がじりじりと下がり始めています。
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何をきっかけとしたのかは忘れてしまいましたが、1ヶ月半から2ヶ月くらい前からなんとなく買収ファイナンスがダウンサイドに入るのではという予感がしていました(こういうことがあるから、ブログはこまめに書いておいた方がいいですね…)

このLBOブームが崩れてきた原因はベアスターンズが売却に事実上失敗したサブプライムCDOを発端として、住宅ローンCDOのみならず、LBOローンのCLOもMoody'sやS&P等の格付「会社」による格付に疑問符がついたからだと言われています。あるいはCDO/CLO市場のメインプレーヤーであったヘッジファンドが解約対応に追われて、新規投資をする余力など残されていないからだとも。

私はそんなことよりもっと単純に、これまでディールを作る主体でありイケイケドンドンのPEファームの圧倒的な交渉力を前に、ディールサイズの巨大化、レバレッジの引き上げ、スプレッドの低下、covenants lightに代表される融資条件の緩和等、デット投資家はそうした条件のローンやハイイールド債を粛々と引き受けてきていました。しかし、スプレッドはこれまでの底であった平均300bpを割り込み、かつてはエントリーのDebt/EBITDA倍率は2.5x-4.0x程度であったものが産業によっては9x以上に達するなど、PEが「やりすぎ」てデット投資家が心理的にも「マジ切れ」し始めたことも結構大きいと思うのですが、現役のバンカーの方、いらっしゃれば市場の感触を是非(って私のブログに立ち寄ってくれる人なんていませんよね…)。

今のところQ2の決算はポジティブなものが多く、企業業績が堅調である以上は買収期待が剥落して値を落としている銘柄があれば積極的に拾いに行くスタンスでいます。

しかし、一部市場でシビアに始まっている住宅価格の調整が全米レベルに波及するようだと、Home Equity Loanで資金を調達して消費にまわしていたアメリカ人の消費行動に劇的な変化が現れかねないという恐怖感もあります。それ故、going forwardということで言えば、サブプライムではなく、私はHEL市場を注目すべきだと思いますが、如何でしょうか。

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それにしても、BXの上場時に半ば冗談で「BXの連中が今が逃げ時だと思っているから上場したんだ。この上場がバイアウトブームの終わりの始まりだ。」と言っていたら本当にバイアウトブームが終わりそうです…
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by linate | 2007-07-31 00:21 | マーケット雑感

ブダペストより

ブダペストに来て4日目になります。

いくら日本より湿度が低いとはいえ気温が毎日35℃を軽く超える状態が夕方になっても続くというのは体力的に相当きついです。体力がないのでビールを飲む気がおこらないかわりに、Coke 500mlをイッキに飲み干せてしまうくらい体が冷たい水分を要求し続けています。旅先なのであまりトイレに行く必要のないように水分は本来は控えめにした方がいいのですが、トイレに行く必要もないくらいに汗で体から水分が流れ続けているので、外出中にトイレに行きたいと思ったことが今のところありません。Cokeをこれほどまでにいとおしいと思ったのは生まれて初めての経験です。

それとこの国に来て思ったのは、スーパーで見かけるパッケージ食品や、そもそもそのスーパー、また銀行や通信企業など、見かけるブランドが殆ど西欧企業のものばかりです。それだけ経済が開放されているということなのでしょう。しかし、西欧企業の下請けに甘んじ続けていては中欧を飛び越えて東欧や旧ソ連地域のさらに所得水準の低い国々にいつ今のステータスをリプレースされてもおかしくないわけで、この状況がハンガリーの国民経済にとって本当にいい状態なのだろうか、とほんの一瞬だけ思ったりしました。残りはひたすら「暑ぃ~。太陽なんか誰にも必要となんかされていないッ!」とずっと思っています。

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ブダから見たくさり橋。
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by linate | 2007-07-17 03:00 | その他

前回Level 1終了時に続き

試験終了後の開放感のまま旅行に出かけます。

今回の目的地はブダペストです。東欧に行きたいというのがまずあって、プラハよりも観光客の少なそうというだけの理由でのチョイスです。天気予報によれば来週のブダペストの最高気温は軒並み35℃を超えています。去年の転職前のドイツも6月なのに連日30℃以上の猛暑が続いていましたが、なんで私が訪問する時期に限って欧州は暑いのだ。本気で太陽を打ち落としたいくらいに太陽が憎い。

あと、L2の試験が終了してからやっと計画を立て、予約をしたので、成田発がブック出来ず早朝の羽田発の便に乗り関空乗り換えです。なので早朝4時起床…

とりあえず楽しんできます。
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by linate | 2007-07-12 21:55 | その他

BlackBerry

日本でも最近BlackBerryを手にしている人を見かける機会が増えてきました。今日本で売られているBlackBerryは日本語のハンドリングがまともに出来ないので、おそらく本国ですでに導入済みの外資系企業が導入の中心なのだと思います。

このBlackBerryというデバイス、プロジェクトベースで働いているバンカー、弁護士、コンサル、そもそも会社にいることの少ないセールスの人にしか必要とされていないのではないかと思っていました。バイサイドに転職して以来、LAやNYとディールのハンドリングをすることもなく、私のメールボックスに飛び込んでくるメールなんて、セルサイドからのリサーチとか、内部の連絡も緊急性のあるものも殆どなくなってしまったので。しかし、海外の投資家向けカンファレンスに出席すると、殆どの人がBlackBerryを持っていて、多くの人がスモールミーティングの最中でもあのジョグダイヤルをかちゃかちゃ回しながらメールに見入っていました。

個人的にはBlackBerryは持ちたいような持ちたくないような微妙なところです。

持ちたくない理由:デバイスのデザインが秀逸ではない
実物をご覧になったことのある人はおわかりだと思いますが、正直言ってボテっとしていて分厚くデザイン的には優れたものではありません。
ITmediaより。

アメリカではCrackBerryなんて言葉があるように、BlackBerryのおかげで仕事と仕事以外の生活の境界が曖昧になってしまうことの弊害が指摘されてすでに久しいですが、私の場合には上述の通り急なレスポンスを求めるメールが業務時間以外で流れてくることもないので、その点の心配はむしろありません。

持ちたい理由:Bloomberg Anywhereをモバイルで見ることの出来る唯一のデバイスだから
私にとってはむしろメールのプッシュ機能はどうでもよく、これがあれば相当便利になります。夜パソコンの前に張り付いていなくても、投資している銘柄の状況をリアルタイムで把握できるようになるので。
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by linate | 2007-07-08 01:51 | その他


株屋ですよ。


by linate

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