カテゴリ:仕事( 14 )

他人の不幸は蜜の味

私のチームで運用しているのはtraditionalな株式のアクティブファンドですので、当然にしてベンチマーク運用です。ベンチマーク運用とは相当単純に言ってしまえば:

  • ベンチマークとなるインデックスに入ってないけれどもインデックスを上回るリターンを上げる銘柄を持つ;
  • インデックスに入っている銘柄だけどインデックス平均を上回るリターンを上げそうな銘柄をインデックス内の比率(ウェイト)よりも多く持ち;そして
  • インデックスに入っている銘柄だけどインデックス平均を下回るリターンにとどまりそうな銘柄を全く持たないか、インデックス内のウェイトよりも少なく持つ

ことによりベンチマークを上回るリターンを上げることを目標とします。

昨日のカナダ市場の引け後、カナダ財務省はincome trustに対して課税を行うべく法改正を検討すると発表しました。income trustとは日本語に訳すと事業所得信託と言うそうで、income trustが産む収入に対しては法人税が課されず通常の会社形態(corporation)からincome trustへの転換も可能です。income trustの持ち分はtrust unitと呼ばれ株式と同じく取引所での売買も可能です。法人税が課されないということは株主へのリターンが増すということで、income trust銘柄は同じ業種のcorporation銘柄よりも高値で取引されていました。株主価値の最大化を図るべく、最近もcorporationからincome trustへの転換を行うと発表する会社もいくつかありました。
一方で、カナダ政府から見ればincome trustへの転換の動きが広まるにつれてそれだけ法人税収が減少してしまうことと、税の公平性の問題からincome trustを現在のまま放置してしまうことはずっと問題視されていました。課税が事業者段階ではなく投資家段階に移転するだけではないのかという話もありますが、なんだかんだで最終的な投資家はtax-exemptな年金であることが多く、事業者の段階で課税できないとやはり税収は減ってしまいます。公益企業的側面も持つ通信企業であるBCEやTelusが相次いでincome trustへの転換を発表したときにはカナダでは相当なショックを持って受け止められ結構物議をかもしていました。

さて本題に戻りますが、まだリサーチが行き届いていなかったためカナダ銘柄はバリュエーションもPMへの推奨も行っていなかったので我々のポートでは非保有でした。そこにこのニュースが出てきてincome trust銘柄もしくはincome trustへの転換を発表していた銘柄は時価総額に関係なく軒並み大きく下落したことから、インデックスのパフォーマンスを悪化させ、我々のファンドの相対的なパフォーマンスに好影響を及ぼしました。

今朝は朝起きてBloombergでカナダ銘柄が10%以上急落しているのを確認して「よっしゃ!」とガッツポーズでした。ということで積極的に勝たなくても他人が負けてくれることもうれしいというお話でした。
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by linate | 2006-11-02 21:59 | 仕事

第3四半期決算

の季節が既に始まっています。

Bloombergを初めとするニュースメディアをにぎわせるのは、ある会社が決算を出して、それがコンセンサスと呼ばれるセルサイドアナリストの利益予測の平均値をビートしたかどうかということです。株価はコンセンサスを前提に形成されているとされていますので、例えば、コンセンサスEPSが$1.63のところ実績値がそれを上回る$1.65であれば、「ビートした」といい株価の上昇要因になります。これが$1.50と1割も下回るようだと、その会社の株は失望売りを浴びせられ大幅な下落要因になります。

私は根がかなり適当なのですが、$1.63がコンセンサスあるいはある会社のアナリストの予想だったところ、実際の発表が$1.65程度だとして、「2セントのビートだ!」と騒いでいるのを見ていると、「たった2セントなんか誤差の範囲内じゃん。そんなもんアナリストのモデルの精度によってはどうにでも変わりそうな値だし。」とやや醒めた目で見てしまっています。と思ってしまう私はアナリスト失格なのでしょうか。
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by linate | 2006-10-26 01:03 | 仕事

将軍様のおかげで

休み中に為替が円安に動いたので、先週末作っておいた今日発注の案件を再調整する羽目になって、今朝はちょっとだけばたついていました。

今日は、日本株はまったく動きませんでしたね。アジア株も戻しましたし。
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by linate | 2006-10-10 23:09 | 仕事

年齢構成

今週月曜より新しい会社にジョインしました。事前に聞いてはいましたが、私、28歳にしてダントツの下っ端です。またもや下っ端ライフスタートです。

途中ITバブルの時期を挟んだものの私の周囲5年程度は就職氷河期にあたり、新卒採用が冷え切っていた時期に就職活動を経験しました。金融業界のことしか知りませんが20代後半はどこの会社も他の世代に比べて層が薄いようです。景気がよくなってきたこともあり、この年齢構成上のバランスを補正するために、我々の世代を増強しようと非常に活発なリクルーティングが現在行われています。資産運用業界については、企業側の本音としては我々くらいになると経験者を採用したいようですが、その経験者がほとんど存在せず(新卒から投資顧問にいたとしてもフロントにいるとは限らないので)、したとしても転職マーケットに供給される絶対量が少ないので、未経験者に対しても門戸を拡げざるを得ません。未経験=無条件というわけではなく、財務分析・企業分析の経験はあることはやはり一つの条件になっています。

投資顧問・投資銀行調査部・PE・投資銀行IBDという他人から見れば奇妙な優先順位で転職活動をしていましたが、最も人手不足感が強かったのはIBDでした。

話は全然変わりますが、投資顧問に移ることでこの4年ほど培ってきた英文documentationのスキルはもはや無用の長物になりました。でも、もうやりたくないですけどね!
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by linate | 2006-07-06 00:38 | 仕事


株屋ですよ。


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