カテゴリ:仕事( 14 )

NY駐在バイサイドアナリストの一日

アナリストの1日は8時起床から始まります。遅い?知ったこっちゃあるか。嫁さんがつくってくれるおいしい朝ごはんをかきこんだら、家を出るのはだいたい8時半。8時40分バス停到着。

バスが来ねえよ。

そして9時ぎりぎり出社。出社早々は東京の本社からオーバーナイトで届いたメールを片付ける。例えば、前四半期にパフォーマンスが良かった(悪かった)銘柄のディスクロージャー資料に載せるためのコメントを書いたり、保有銘柄のうち前夜急落した銘柄についての釈明を求められたり、そういうの。その後、パフォーマンスが良いと分かっていれば東京から毎日送られてくる個人パフォーマンスファイルを見る。悪いと分かっている場合は見ない。

その後はその日に決算が出ている銘柄があれば、決算プレスリリースを見ながらExcelで作ってる自分の財務モデルに数値を入力しながら決算内容を確かめたり、カンファレンスコールを聞いたり。あ、ちなみに四半期ごとの個別銘柄の決算レポートは私はいちいち書きません。そんな暇があれば新しいアイデアを検討したり、新たなリサーチ対象のモデルを作る時間にあてたいです。

そうこうしているうちに昼飯時。月に何度か担当セクターの経営者やアナリストとのランチミーティングに呼ばれるのでできるだけ出るようにしている。会場はブローカーの本社のダイニングルームだったり、そのへんのレストランだったり。ランチミーティングは飯を食わせてもらえるからって別に特別扱いされているわけでもなんでもない。FidelityやNeuberger Bermanのような大所は自分から出向くなんてせずに、企業の経営者やアナリストが直接彼らのオフィスに出向いて1対1の濃密なミーティングの機会があります。一方、我々弱小バイサイドはそういう場には呼んでもらえないので、ランチミーティングという名のグループミーティングにしかお呼びがかかりません。グループでは一人当たりの質問チャンスも当然少なく、皆が質問しようしようと様子を伺い、前の人間の質問への回答が終わりそうと感ずるやいなや、完全に経営者がしゃべり終わってないのに自分の質問をしゃべりはじめる投資家がいるなど、グループミーテイングでは質問するのも一苦労です。まさに戦場です。調子が悪ければ全然質問できずに終わるなんて日も。まあ、本当にしたい重要な質問なんてのは実際は2〜3程度なのですけどね。一方で、グループミーテイングでは他の投資家の懸念事項や注目点も解ったりするので、良し悪しではあります。投資は美人投票ですので、自分の独善的なビューを持っているだけではダメで、他の投資家と自分の見方の違いはどこにあるのか、コンセンサス的なビューと自分のビューの乖離はどうなりそうなのか、常に他人の意見との差を意識し続けなければならないので、グループミーテイングはそういうのを確認できる場所でもあったりします。

ランチミーティングから帰ってくると、今度は次の銘柄会議に向けた資料作成。私はWordできっちりしたレポートを書くことは殆どなく、PowerPointのスライドがレポート替わりです。PowerPointは左はテキストボックス、右に上下2つの図表というレイアウトをスタンダードにし、左のテキストボックスには12ポイントの文字でびっちりと右のグラフの解説やそこから敷衍される自分のビューをひたすら書き込みます。

もうひとつのツールはExcel。Excelで投資候補企業の財務モデルを作りこみます業績予想をはじき出します。財務モデルはセルサイドのアナリストからももらうことはできて、それを使えば手っ取り早いんですが、過去数年の財務データも入力しつつ、自分で作った方が何がこの会社の成長ドライバーで、何がボトルネックなのかがよくわかるので、時間がある限りは財務モデルは自分で作るようにはしています。ただ、時間との兼ね合いで、ブローカーのモデルを使うこともありますが、将来の業績予想のドライバーとしてどんなKPIを選択するか、どこまでドライバーを細かく分解するかとかに、アナリスト個人の会社や業界に対する見方が反映されるので、セルサイドのモデルを使っていると、そのモデルを作ったアナリストのレールの上を走らされているようであまり気分がよいものでもありません。

財務モデルの骨子を創り上げると、今度は将来予想の数値をより精緻にするために、企業と電話会議を行います。業界全体の動向はどうなのか、そのなかで個別企業としてどんな製品を売ろうとしているのか、どのようにシェアを拡大させるのか、コストインフレを反映できるほどのコンフィデンスを今持っているのか、設備投資に対する考え方、目標レバレッジ、余剰キャッシュフローの使途は、等々ひと通り聞きます。電話相手がIRであれば、割と細かい数字の話を、経営者やそれに近い人であればビッグピクチャーを聞いたりと、話す相手により質問内容を変える必要があったりします。経営者に細かい数字について聞いてもわかってないから答えらない可能性も高いですし。

そして夜になり東京が朝を迎えると先ほど作りこんだスライドをもとに東京との銘柄会議を電話で行います。自分の個人成績がいいうちは私が一方的に推奨銘柄を喋るだけですが、成績が悪いと詰め詰め会議になるので、その時のパフォーマンスによって雰囲気は全然違いますです、ハイ。最近はまあ割と良いと思います。

そしてようやく帰宅の途につきます。だいたいいつも7〜8時くらいには会社を出る感じですかね。

バスが来ねえよ。

帰ってからも気になる銘柄は自宅からウェブを駆使していろいろ調べたり、果てはその場でモデルや資料の作り込みも始めたりすることもあります。この仕事はネットさえあればどこでも出来る仕事ですし、むしろ会社よりも自宅の方がPCやネット接続環境は良好ですので、家のほうが仕事がはかどる、なんて場合もあります。
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by linate | 2011-01-26 12:55 | 仕事

服装

ニューヨークはアメリカの中ではリベラルな都市とは言われていますが、こと男性サラリーマンの服装に限って言えばアメリカの中でもトラッドというか、西海岸との比較論ではありますがきっちりした服装が好まれる都市です。通りを歩くと、東京ほどではないにしろ夏の暑いさなかでもネクタイをキッチリ締めてジャケットを羽織って歩いている男性を多く見かけます。

ただ、金融業界はどうも違うようです。確かに証券会社のような営業をする側の人々はいくらクソ暑かろうが、スーツを来ているようですが、バイサイドとなるとやや日本人の感覚からすると?という格好をしている人に多く出くわします。カンファレンスのジェネラルセッションのような、経営者とアナリストの対話を一聴衆として聞くだけならラフな格好でも全く問題はないとは思うのですが、彼らはそのラフな格好のままミーティングにもやってきます。よく見かけるラフな格好だなあと私が思うパターンとしては、
・ジャケットを着ていない(ドレスシャツとスラックスのみ)
・チノパンにポロシャツ
といった感じです。ジーンズを履いてきてる人もたまにいます。

こういうのはカンファレンスのようなやや大人数がいて、一人ひとりにそんなに服装とかそんなどうでもいいことで注目やプレッシャーを浴びない環境だからかなと思っていたら、ディナーミーテイングのような少数のみが集まる、かつフォーマルな場に行っても、当地のバイサイドのラフな格好は特に変わることも有りませんでした。年上の経営者はネクタイまで締めてやってきているというのに。

一人の人間としてみたら、バイサイドの20〜30代の若造なんぞよりも、上場企業の経営者の方がナンボも人生経験、能力、稼ぎどれもこれも大きいに決まっていているのですが、そこは投資する側のほうがエライというお国柄なのですかねえ。

日本人の感覚だと普段はカジュアルな格好で仕事をしていたとしても、人と会う時くらいはきちんとスーツを着るというのが大抵の人の感覚だと思います。私も郷に入れば郷に従えといえば聞こえはいいですが、易きに流されてしまい、最初は経営者のミーティング時にはネクタイをしない程度のフォーマルな格好だったのが、夏になるとジャケットを着るのをやめてしまいました。

あーあ。
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by linate | 2010-08-12 09:26 | 仕事

NYへ

転勤することになりました。

これまでは割と欧州株の担当が多かったのでロンドンに転勤するとばかり思っていたら、NYということに。欧州株の担当を減らし、同じセクターのラ米も含めた米州株の担当になるようです。

さて、家探さなきゃ。
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by linate | 2010-03-23 23:59 | 仕事

New York, NY

仕事でニューヨーク滞在中です。暑いです。先週は100度を超えたそうで、今週はそれほどではないにせよ明らかに東京より暑いだけでなく、むしむししていて不快指数かなり高めです。こんなニューヨークは初めてかも。

今夜シカゴに飛びます。

Park & 42ndから見たクライスラービル。
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Grand CentralとMetLifeビル
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by linate | 2008-06-17 21:13 | 仕事

Phoenix, AZ

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カンファレンスに出席のため、アリゾナ州のフェニックスにいます。アリゾナはちょうど10年前の冬、学生時代にフェニックスではなくツーソンを訪れて以来の訪問です。

フェニックスに先だってワシントンDCとニューヨークを訪れていましたが、米国東部はただいま記録的な気温上昇に見舞われており実はフェニックスとそれほど気温は変わらないのです。それでも、フェニックスの空気の気持ちよさは比べものになりません。やはり冬のリゾート地だけのことはあります。

ちなみに滞在しているリゾートはゴルフコースで有名なリゾートだそうです(私はゴルフを全くしないのでその価値はわかりません)。カンファレンスは木曜日の午後に終了する予定ですが、ゴルフ好きのアメリカ人はカンファレンス終了後も引き続き滞在して木曜午後から金曜、土曜とゴルフ三昧なのでしょう。ブローカーもあえてそれをねらってカンファレンス会場と日程を設定したとしか思えません。ブローカーのアナリストも有力顧客との接待ゴルフでもするんですかね?
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by linate | 2008-01-09 14:15 | 仕事

2008年出張第1弾

カレンダー通り1月4日だけ出勤するのもめんどくさいので、今日の昼の飛行機に乗って米国に出張することにしました(といっても計画自体は12月の頭からたててはいましたが)。ダラス、DC、NY、フェニックス、サンディエゴと全米を駆け巡る予定です。

トラブルのない出張であります様に。
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by linate | 2008-01-03 00:16 | 仕事

欧州出張

今日から2週間欧州出張に出かけます。
出張先で気づいたことでもアップ出来ればいいなと。
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by linate | 2007-11-11 02:11 | 仕事

M&A、買収観測の余波で

先日仕込んだ株が急上昇し、あっという間に自分のターゲットプライスに到達。ターゲットプライスに到達してもモメンタムはまだついているので、このまましばらく放置してもいいんですけど、どっちみち代替銘柄の仕込みはさっさとしなきゃいけない。

うれしいんだかめんどくさいんだか。
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by linate | 2007-05-25 00:51 | 仕事

年末のお楽しみ?

クリスマスがいよいよ今週末に迫ってきました。

クリスマスからニューイヤーまでの来週1週間は金融市場は完全にお休みモードで、欧米の株式市場は取引ボリュームが通常の半分以下くらいにまで落ち込むことになります。一方で、みんな休んでいるように見えてそれでも取引量は半分にしか落ちないのかとも逆に言えるでしょうか?

私のもとにはクリスマスカード(ただPolitical Correctnessを気にする雰囲気があるのか、"Merry Christmas"ではなく単に"Happy Holiday"とか"Season's Greetins"と書かれてあるカードが多くなってきています)がちらほら届き始め、海外のアナリストからは休暇入りを知らせるe-mailも届いています。

また、東京のセールスの方も年末の挨拶にいらっしゃっています。その際少なからぬバイサイドの人間が楽しみにしているのが彼らが挨拶とともに持ってくる来年用のデスクダイアリーです。外資系証券の多くはLettsというイギリスのダイアリーメーカーのものに自社のロゴやエンブレムを刻印したものを持ってきてくれます。これでスケジュールやto-do管理をしている人間は同じ職場にも結構います。

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私の場合はスケジュール管理は公私含めてGoogle Calendarで行い、いつでもどこでもスケジュールを確認することに慣れきってしまっているので、会社に置きっぱなしにすることが前提のデスクダイアリーは使い勝手が悪いので、外資系証券のセールスの方とつきあいのない部署の方にそのままあげてしまっています。

ちなみに、私は外国株担当なのであまり縁はないのですが、アナリストランキングの投票時期が近づいているのでランキング投票へのお願いも兼ねてか、日本株担当はセルサイドのアナリストのプレゼンテーションラッシュを迎えているようです。
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by linate | 2006-12-20 23:35 | 仕事

元銀行員のway of thinking

銀行員時代leveraged financeの財務モデルを構築する場合の主眼は、「どれだけのダウンサイドリスクにこのデットのストラクチャーは耐えられるのか?」ということでした。具体的にはモデルを構築する際、エクイティスポンサーの出してくる、「楽観的」なトップラインが上昇をし続け、マージンが改善し続けるというシナリオのプロジェクションは無視し、トップラインもマージンも悪化させてみて、どの程度悪化すればキャッシュがショート、あるいはコベナンツに停職、つまりデフォルトするのかということを確認します。そのトップラインの減少幅やマージンの悪化が果たして会社の過去の実績と比べて現実的なのか、過去に事例はなくとも競争環境の変化によりそうした事態が発生しうるのかを検討します。その検討に応じてスプレッドや約定弁済スケジュール等のエコノミクスに関する条件や、各種コベナンツの設定をスポンサーと交渉することになります。

現在はエクイティをやっている訳なのですが、銀行員時代の癖がどうにも抜けず、セルサイドアナリストを今はエクイティスポンサーに見立てて、「こんなに売上が伸びる根拠なんかねーよ」とか「この状況でどうやったら顧客と単価が増えるわけ?」とか「このビジネスでこの資本コストの低さはないだろー」と悲観的に悲観的にモデルをいじり続け、挙げ句とんでもなく低い株価バリュエーションが算出されてしまいますorz
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by linate | 2006-12-05 07:30 | 仕事


株屋ですよ。


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