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PEファンド投資先のExit

PEファンド投資先のExit_b0102654_1132214.jpgユニゾンの1号ファンドの投資先だった東ハトのexitがようやく決まったようですね。
山崎製パン、東ハト株取得・ファンド資金回収のモデルケースに(2006年7月2日付Nikkei.co.jpより)

ユニゾン・キャピタルと丸紅が東ハト株を山崎製パンに売却すると決めたのは、より高い価格で早期に投下資金を回収するには同業他社への売却が得策だと判断したからだ。

投資ファンドの投下資金の回収方法は対象企業の株式新規公開(IPO)で不特定多数の一般投資家に保有株を売却する方法と、同業他社など事業会社に転売する方法がある。東ハト株を取得したユニゾンと丸紅は当初、東ハト株を株式市場に上場して資金を回収する計画を練っていた。

ただIPOは証券取引所の審査をパスする必要があり、かなりの時間とコストがかかる。半面、同業他社への売却は交渉がまとまれば資金を早期に回収できる可能性がある。買収する企業との相乗効果も見込めれば、企業価値をより高く評価できる利点もある。

http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hot.cfm?id=d2c0101401&date=20060701
日本ではPEファンドによるExit(投資回収)といえばリップルウッドの新生銀行IPOが有名すぎて、もしかしてExitといえばIPOと思われているのでしょうか? 確かにプライス面ではIPOの方が高値がつく可能性もあります。しかしIPOは上場までに時間がかかり、上場時に全株売却することが難しいことから上場後も随時小出しにマーケットあるいは相対で売却し続けていく必要がある(IRRの低下要因)ことから、どこのPEファンドもIPOよりもtrade saleを指向すると述べています。

ただ、上場を目指す!という非常に明確で前向きな目標設定は投資先企業の従業員のモチベーションを高める効果も期待されています。この東ハトの場合も上場を目指しているということは社内的にも周知されていたと思いますが、それが突然同業への売却という結論が下され、従業員の心境は如何に。

日本で今後IPOが予定されているPEファンド関連の大型案件といえば、サーベラス投資先のあおぞら銀行があげられると思います。シティバンクやHSBCが日本でのビジネス拡大を目指していることから自前での拡大ではなく手頃なサイズの銀行を買ってしまうという戦略も十分考えられますので土壇場でこれもIPOではなくtrade saleによる売却に変わってしまうかも知れません。

(キャラメルコーンのパッケージ画像は東ハトのサイトから拝借しました。)
by linate | 2006-07-02 23:31 | マーケット雑感


株屋ですよ。


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